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パリジェンヌが「クール&オシャレ」なワケ

 

2023/03/16

 

コラム

「なぜ、パリジェンヌがオシャレなのか?」

PARIS!

フランスのパリ。ファッションだけではなく、ライフスタイル、インテリア、

日本人の私にはこの国の人々の感性は未知の世界であり、また憧れでもあります。

 

この陽気に誘われて、洋館めぐりを再開しました。

今回の場所は、東京都庭園美術館。

開催中の展示会のタイトルは、交歓するモダン「機能と装飾のポニフォニー」です。

インテリアの歴史的観点から、価値のある展示物が数多く展示され、ずっしりと見ごたえのある内容でした。

特に教科書にでてくるような名作の「椅子」たちの大鎮座には感動ものでした。

リートフェルトのレッドアンドブルー、ワシリーチェア、コルビジエ、マルセル・ブロイヤー

アアルトのパイミオ・チェア、、、などです。

椅子マニアではない私でもかなりの興奮でしたので、おそらくマニアさんにはたまらないことでしょう。

 

             リートフェルト

 

1900年代、20世紀初めのヨーロッパにおいて、近代モダン時代の幕開けと共に、

芸術世界が大きく動きました。

くるくる模様のアールヌーボーから、幾何学模様や水平、垂直のラインをメインとした

アールデコ様式への変革です。

芸術がより近代モダンスタイルへ移行していく様子、国や人物、

ムーブメントや作品にフォーカスされた

まるで百科事典のような展示会でした。

 

現在の私たちの生活のベースになっている「ウィーン工房」は有名ですが、

それ以上に私が注目したことは、「ベル・エポック時代」古きよき時代とされ、

産業や技術、医療のレベルが飛躍的に上がり、

人々が希望や活気に満ち溢れていた頃のお話です。

 

パリでは、キング・オブ・ファッションと称されたPaul Poiret(ポール・ポワレ)がファッション文化に大革命を起こします。

それまでのコルセット着用から女性を解放し、ファッションを謳歌する女性の社会進出に貢献します。

ブルジョワ階級から始まり、パリの女性たちはこぞって、

KIMONOのような東洋スタイルや、

シルクやサテン、シフォンで仕立てられたドレスや毛皮、

ビーズや羽毛、刺繍でデコレートされた帽子で着飾り街に出かけました。

PaulPoiret_Studio    

パリファッション

            AtelierMartine

またポワレは、自らのメゾンAtelier Martine(アトリエマルティーヌ)でファッションだけではなく、

インテリア(テキスタイルや壁紙)、香水、家具の製作、販売まで手がけました。

デザイナーだけではなく、ビジネスマンとしても長けていたのですね。

今では、違和感のないファッションデザイナーの「香水」ですが、ポワレが第一人者だとか。

 

Parfums De Rosine

PAULPOIRET

余談ですが、今日、絶大な人気を博す「ココ・シャネル」は、この次世代のデザイナーとして、

シンプルで簡素なラインの現代の女性ファッションに通じるスタイルを確立したと言われています。

 

それ以降、フェミニズムはより加速、メゾンでは才能あふれる多くの女性たちが、

ファッションや、インテリアの世界で活躍することになります。

いよいよ、「女性とインテリア」の幕開けです。

paulpoiret

 

パリには、この頃からユニークなデザイナーズホテルが作られています。

こぢんまりとしたスペースですが、

エスプリのきいたゴージャスなインテリアもこの流れのなかで誕生したのでしょう。

 

今からわずか100年ほど前のお話です。

日本では少し遅れて、欧米化が進みモダンガールズも現れます。

それから約1世紀が経ちました。

 

私たちは未来の日本人へいったいどんなメッセージを残すことができるのでしょうか?

 

THANK YOU!

 

 

参考URL 
*解放され仕事を手にした女性たちと20世紀前半のファッション
*ポール・ポワレとシャネルの改革
 

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